歯並びと歯の寿命の関係
「歯並び」と「歯の寿命」について考えたことがある方は、あまり多くないのではないのではないでしょうか。
厚生労働省の調査「平成11年歯科疾患実態調査の概要」によると、日本人の歯の平均寿命は、約50~65年。下記の調査結果を詳しくみると、奥歯の寿命は前歯より10年以上短いことがわかります。日本人の平均寿命(男性約80歳、女性約86歳)を考えると、命の寿命と歯の寿命には、20年以上の開きがあります。
歯が寿命を迎える、つまり歯を失う最大の原因は、虫歯と歯周病です。正しく歯磨きをしていれば、虫歯も歯周病も防ぐことができるはずですが、防ぎきれていないのが現実です。
歯並びが悪いと、歯磨きをしても磨き残しが多くなり、歯垢がたまりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
また、唾液によって、自然に歯の汚れの一部は落ちますが、歯並びが悪いと、自然に唾液が行き届かず、虫歯や歯周病のリスクはさらに高まります。
歯に対する意識が高まり、80歳になっても20本以上の歯を保とうという「8020運動」の達成率は、年々上昇し、2012年には38.3%にまで伸びてきています。歯が健康な人ほど、認知症や色々な病気になる確率は低いと言われています。
歯の寿命を延ばすためには、定期健診による虫歯や、歯周病の発見、早期治療を受けることはもちろん、歯並びに問題がある場合には、歯並びを良くして、虫歯や歯周病を予防することも大切です。
厚生労働省 平成11年歯科疾患実態調査より